企業金融(ファイナンス)論の基礎を学習したことがあれば、投資を行うべきか否かの基準が、与えられた資本コストの下で計算した、当該の投資プロジェクトの純現在価値(NPV)がプラスか否かであることは理解されているだろう。公共投資に関しても同様で、その公共投資に関する社会的にみた(外部効果も含めて計算した)純現在価値がプラスであれば実施すべきで、マイナスなら実施すべきではないということである。 この意味で、財政赤字だから公共投資も削減すべきだという議論は、全くナンセンスである。財政赤字であろうが、財政黒字であろうが、無駄な(社会的にみた純現在価値がマイナスの)公共投資は実施すべきではないし、有益な(社会的にみた純現在価値がプラスの)公共投資は実施すべきだという話である。要するに、この公共投資プロジェクトは、実態はばらまき(所得の再分配で、社会的にはゼロサムで追加的な価値を生むものではないの)で、実
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