象牙や木を彫ってつくった江戸時代の小型の装身具、根付けが海外で収集家の人気を呼んでいる。英国では、根付けをモチーフにした本がヒットしたこともあって注目され、オークションでは日本円で3千万円を超える史上最高値をつけるものも現れた。 根付けは、薬を入れる印籠などを帯に下げる際、外れないようにひもの先端に付けた留め具で、さしずめ“江戸時代の携帯ストラップ”。昨年11月にロンドンのボナムス社で開かれた競売では獅子をかたどった18世紀後半の象牙の根付け(約6センチ)が26万5250ポンド(約3180万円)で落札され、根付けとしては最高値を記録した。 英国では2010年、陶芸家のエドマンド・ドゥ・バール氏が、根付けを所有していた自身の一族の歴史をたどったノンフィクション(邦題「琥珀の眼の兎」)を出版、ベストセラーになった。(共同)