現世人類(ホモ=サピエンス)は過去に三回の大躍進を経験しており、1度目は五万年前ごろの氷河期のさなか、2度目は一万年前の農耕革命、3度目は4000年前の法典の発明だ――というエントリーを書いたところ(→こちら)、活版印刷の発明はどうなの?というご指摘をいただいた。 ◆ 活版印刷は1400年代中頃にドイツの技術者J.グーテンベルクにより発明された。それ以前、書物は手書きの写本がほとんどで、一部の知識階級に独占されていた。田舎では“文盲の牧師”なんてのも珍しくなかったらしい。聖書が読めないのにどうやって説法をしていたんだろう。ともかく活版印刷の発明により書物はあらゆる人の手に渡るようになり、イタリアン・ルネサンス、宗教改革、産業革命と続く大きな歴史の流れの端緒となった。活版印刷は過去4000年の歴史のなかで、もっとも偉大な発明の一つと言っていい。 しかし視点を広げてみるとどうか。過去25万年に