社会風刺であるのはもちろんのこと、主人公の"知の"片鱗に触れて、その知をまだ自分で噛み砕いて身にしていないうちに発信してしまう愚かさ。言うなれば「意識高い系()」的な愚かさをこの時代に見せているのがすごい。ビーティ的な人ににいともたやすく論破され、言い返せずに逆ギレっていうのもいかにも。 書物の偉大さと同時に、誰しもが"知"に触れることができることの危うさも表現されていて、自分の姿勢を考えさせられた。 50年近くも前に書かれた作品がこんなにも現代を表していて「まるで予知のようだ!」と驚きかけたが、きっといつの時代も人間ってこんな感じなのかもしれないなー。