ブックマーク / econ101.jp (27)

  • ノア・スミス「移民流入の害は,いっこうに実証に現れない」(2024年5月10日)

    移民受け入れを支持する人間として,ぼくは懐疑的な人や批判的な人に耳を貸すようにつとめてる.どんな国にも,自らがのぞむならどんな人間でも招き入れる権利がある――あるいは,入国を拒否する権利がある.移民の流入で自分たちの文化が変わってしまうのを人々が心配しているなら,それは完璧に許容されるべき態度だ. ただ,それと同時に,移民流入制限派の人たちは移民受け入れにともなう経済的な害悪をあれこれとたくさん主張している――賃金低下,政府財政への負担,などなど.それでいて,そういう主張はずっと証拠と矛盾しつづけている. たとえば,多くの証拠から,移民流入は――低技能移民の流入ですら――現地生まれの人たちの賃金や雇用の見通しに悪影響を及ぼしていないことが明らかになっている〔日語版記事〕.最近出た Michael Clemens & Ethan Lewis の論文を見てみると,この研究はとても「きれい」な

    ノア・スミス「移民流入の害は,いっこうに実証に現れない」(2024年5月10日)
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    ultrabox 2024/05/12
  • ノア・スミス「Twitter 入り浸りは精神衛生に有害」(2024年3月9日)

    ソーシャルメディア利用と精神衛生の悪化の相関を見出してる研究は山ほどある.でも,de Mello, Cheung, & Inzlicht によるこの研究こそが,ぼくにとっては真打ち登場って感じだ: 世間の論議では,よく,Twitter(現 X)がユーザーと社会に有害な影響を引き起こすと言われている.稿では,合衆国の Twitter ユーザーたちの代表的標から252人の参加者を得て調査を行うことで,この研究課題に取り組む.我々は,一日5回の質問を7日間にわたって継続した(6,218回の観察).調査結果から,Twitter 利用が幸福度の悪化および政治的二極化・怒り・帰属感覚の増加に関連していることが明らかになった.効果量は,社交的なやりとりが幸福度にもたらすものに近い.こうした影響は,人口統計上の特徴〔年齢や居住地域や就業状況など〕や性格特性を考慮しても一貫していた.データから推測される

    ノア・スミス「Twitter 入り浸りは精神衛生に有害」(2024年3月9日)
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    ultrabox 2024/03/14
    はてブはアンソーシャルなので指摘には当たらない
  • ノア・スミス「1997年から日本経済がどれほど不調だったか」(2023年11月26日)

    通説では,1990年にかの不動産バブルがはじけてから日は「失われた○十年」に苦しんできたという話になっている.実のところ,一人あたり GDP を見ると,他の豊かな国々にくらべて日の実績が見劣りしはじめた起点は1990年ではなく1997年に思える.97年といえば,アジア金融危機のあった頃だ. この「失われた○十年」論に対して典型的に向けられる反論では,こう語られる――日が停滞しているように見えるのは,大半が人口の高齢化によるものであって,実際の生産性で見ると日は2000年頃から問題なくやっている.新しく出た Fernandez-Villaverde, Ventura, & Yao の論文は,こう主張している: 多くの先進諸国では,この数十年で,高齢化にともなって,一人あたり GDP成長と労働年齢の成人一人あたり GDP 成長のちがいは大きくなってきている.日のように一人あたり GD

    ノア・スミス「1997年から日本経済がどれほど不調だったか」(2023年11月26日)
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    ultrabox 2023/11/29
  • ジョセフ・ヒース「アメリカの多文化主義は矛盾を抱え込んでいる」(2023年9月23日)

    Multinational culture isometric composition with people of different races and nationalities in folk costumes vector illustration しばらくアメリカに在住していたが、人種的正義を求める闘いで公理となっているものは、現実的な解決策となっておらず、逆に人種間の対立を世代をまたいで再生産してしまっていると思った。これをアメリカリベラルは理解できておらず、多くの逆効果(マイノリティ・グループの一部を共和党の掌中に追いやっている等)を生んでいる。このエントリは、そう確信するに至った分析を極めて簡潔にまとめるのを目的にしている。他の場所や、今後のエントリで、この立場を裏付ける様々な論拠を示す予定だが、今回はひとまず、この私の見解がどのようなものか知ってもらうために、分かりや

    ジョセフ・ヒース「アメリカの多文化主義は矛盾を抱え込んでいる」(2023年9月23日)
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    ultrabox 2023/10/03
  • マーク・ソーマ 「緊縮論者の真の狙いとは?」(2012年6月1日)

    緊縮論者の真の狙いは何なのだろうか? クルーグマンの見立てによると、その答えは以下の通り。 “The Austerity Agenda” by Paul Krugman, Commentary, NYTimes: 「景気が落ち込んでいる時(スランプ期)ではなく活況を呈している時(ブーム期)こそが、緊縮に乗り出すべき好機なのだ」。ケインズがそう言い放ったのが75年前。そして、彼は正しかった。・・・(略)・・・景気がガチガチに冷え込んでいる最中に支出を切り詰めるというのは、自滅的な戦略なのだ。・・・(略)・・・すなわち、景気をさらに冷え込ませるだけなのだ。 そうだというのに、イギリス政府はやるべきじゃないことをやっている。どうしてなんだろう? ・・・(略)・・・キャメロン政権の緊縮路線を支持している何人かの論者に疑問をぶつけてみたが、・・・(略)・・・誰も彼もが同じようなパターンの返答を寄こし

    マーク・ソーマ 「緊縮論者の真の狙いとは?」(2012年6月1日)
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    ultrabox 2023/04/20
    陰謀論だナ。実際は素朴で善良な清貧思想の持ち主達と思われ。故に勢力を削ぐのが難しい。。
  • ビル・ミッチェル「市場関係者を歯牙にもかけなかった黒田日銀は正しい(正しかった)」(2023年1月26日)

    銀行関係者による「インフレに対処するために金利を上げなければいけない」といった主張は、どんな場合でも、彼らの所属する金融機関が金利上昇で恩恵を受ける事実からのポジショントークであることは間違いない。 世界中で(日銀を除く)中央銀行が金利を引き上げ始めて9ヶ月ほど経過した。これは、中央銀行はインフレ圧力への対処として金利操作を活用し、財政政策はインフレと戦うために(とにかく財政黒字を目指して)金融政策を支援すべきだ、とする主流派経済学への回帰の表れに他ならない。〔主流派経済学の見解によるなら〕中央銀行は、何らの「将来予測」の見解を作り出してインフレを起こし、金利を引き上げてインフレ圧力を抑制できるとされている。結果、市場は失業率を安定物価と整合的な水準に引き上げるので、物価安定を通じて完全雇用が達成される、とされる。つまり、〔主流派経済学によって〕完全雇用は、労働者の就業要求に十全に応じられ

    ビル・ミッチェル「市場関係者を歯牙にもかけなかった黒田日銀は正しい(正しかった)」(2023年1月26日)
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    ultrabox 2023/04/09
  • ニック・ロウ 「ところで、『政府の予算』と『家計の予算』ってどこがどう違うの?」(2017年10月27日)

    おそらくあなたも目にしたことがあるだろう。 経済学に疎い素人が「政府は、家計と同じように、収入の範囲内で暮らさなくちゃいけない」みたいな発言を口にしているのを。そして、経済学者がその発言主を指さして嘲笑し、「そんなのは誤謬だ」と断罪しているのを。 さて、質問だ。「政府の予算」と「家計の予算」ってどこがどう違うんだろう? その違いって重要なんだろうか? これらの問いに私なりの回答を寄せるのが今回のエントリーの目的だ。「教育的な」側面を持つエントリーといっていい。 「政府の予算」と「家計の予算」を分(わ)かつとされる違いのうちで、質的にも量的にも重要な意味を持つ違いって果たしてあるんだろうか? 私にはその点が明らかじゃないのだ。 1. 政府は、強制力を行使して(あるいは、強制力を行使する可能性をちらつかせて)収入(税収)を増やすことができる。家計は、そうはできない。 この違いは、政治絡みで重要

    ニック・ロウ 「ところで、『政府の予算』と『家計の予算』ってどこがどう違うの?」(2017年10月27日)
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    ultrabox 2023/04/08
  • ノア・スミス「実は日本は様変わりしてるよ」(2023年1月23日)

    By 稲ノ歯鯨 – Own work, CC BY-SA 4.0 2020年代は1990年代とはちがう BBC の東京特派員ルーパート・ウィングフィールド=ヘイズが書いた,日についてのエッセイが広く話題になってる〔日語版〕.ぼくも読んでみたけれど,ひどくいらいらしてしまった.このベテランジャーナリストは――2012年から日に暮らして働いたすえに――日の印象をまとめている.彼によれば,日は停滞して硬直した国で,「ここに来て10年経って,日のありようにもなじみ,次の点を受け入れるにいたった.日は,変化しそうにない.」 でも,日に暮らしたことがあって,2011年以降も年に1ヶ月間ほどここに来て過ごすのを繰り返してる人物として,そして,日経済についてかなりの分量を書いてきた人物として言わせてもらえば,日はまちがいなく様変わりしてる.すごく目につきやすくて重要なところがあれこれ

    ノア・スミス「実は日本は様変わりしてるよ」(2023年1月23日)
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    ultrabox 2023/03/04
    外国人労働者の特定技能2号(家族帯同OK)の業種拡大ってどうなったのだろう。2022年度にも開始って話もあったようだけど。あと労働実習制度の特定技能への一本化もしくよろ
  • ノア・スミス「弱い円は日本にとって好機,なんだけど」(2022年11月24日)

    [Noah Smith, “The weak yen is an opportunity,” Noahpinion, November 24, 2022] じゃあ,なんで日はその好機を利用してないのさ? ぼくが日にはじめて暮らしたのは,2000年代中盤のことだった.当時,円の値打ちはすごく覚えやすかった――だいたい,1ドル=100円だったからだ.どんなものでも,日で値札を見かけたら,頭の中で100で割ってやればだいたいどれくらいの値段なのかつかめた. 「1ドルだいたい100円」為替レートの時代は,約30年続いた.そして,2022年3月に,なにかがブツンといった.円が下がりはじめて,10月には少しのあいだとはいえ1ドル150円にまで下がって,それから1ドル140円にまで少しもどした: Source: Xe.com ドルにかぎらず,日の実質為替レートはあちこちの貿易相手国に対しても下が

    ノア・スミス「弱い円は日本にとって好機,なんだけど」(2022年11月24日)
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    ultrabox 2022/11/27
  • ノア・スミス「意識高い系の起源に関する考察・後編」(2022年9月10日)

    [Noah Smith, “Thoughts on the origins of wokeness,” Noahpinion, September 10, 2022] 昔ながらのアメリカの宗教としての意識高い系 「待て、これはみんな、会衆派の奴隷反対運動家たちか?」 「お前は知りすぎた」 美しい百合の中 海の向こうで 主は生まれた 主の懐で 栄光と共に あなた方と私は変容する 主の死による贖罪の如く 我らも自由のために死なん 神は進み続ける ――ジュリア・ウォード・ハウ「リパブリック賛歌」 [1]訳注:歌詞は以下のサイトの和訳を使用した。https://www.worldfolksong.com/songbook/usa/battle.htm ここからは、意識高い系(2010年代中盤あたりからアメリカで注目されるようになってきた、社会正義の運動、議論、態度)について考察しようとしているシリ

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    ultrabox 2022/09/18
  • サイモン・レン=ルイス「どうしてイギリスの実質賃金はこうも伸び悩んでいるのか」(2022年6月20日)

    [Simon Wren-Lewis, “Why has UK real wage growth been so low?” Mainly Macro, June 20, 2022] このところ,国内の労働市場が売り手市場になっている期間が続くなかで,イギリスの実質賃金は下がっている.このことに驚きを示している人たちもいる.(この売り手市場は,失業率が上がり始めるとともに終わりをむかえるかもしれない.) 今年4月までに,固定給(賞与を除外)の1ヶ月当たり平均収入の実質水準は,こういう推移をたどってきた(消費者物価で実質化してある): この数値の水準は,パンデミックが原因で2020年に少しばかり混乱した.だが,最近の実質賃金の低下は十分に現実的だ.ここには,固定給よりも消費者物価インフレの上昇が反映されている.この4月に,消費者物価インフレ率は,固定給の伸びを上回って 3% 以上に達した. 「

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    ultrabox 2022/07/14
  • ノア・スミス「安倍晋三のもとで大きく変わった日本」(2022年6月4日)

    [Noah Smith, “The Japan that Abe Shinzo made,” Noahpinion, June 4, 2022] この半世紀で最重要の首相がもたらした3つの大きな変化 今回で,日に関するシリーズは5目になる.これが最後だ.第1回目(翻訳)では,日の生活水準が低めなことを嘆いて,現金ベースの福祉政策を提案した.第2回目(翻訳)では,日が経済成長を加速させるのに使えそうな産業政策をいくつか提案した.第3回目では,日の停滞した企業文化とその直し方を論じた.第4回目では,日のポップカルチャーに関する2冊の書評を書いて,日が経済面で衰退しつつもそのポップカルチャーが世界を制覇したあらましについて述べた. この20年というもの,定期的に日を訪れている.でも,今回の日旅行ではとくに強い印象を受けた.2002年にはじめて日に来たときから,この国の感触

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    ultrabox 2022/06/10
  • ウクライナ戦争の解決の為のドイツおよびヨーロッパのベストオプション (2022年4月26日)

    Tilman Eichstädt,  bbw Hochschule Berlin サプライチェーン・マネジメント教授 2022年4月26日 原文リンク 概要:ドンバス地方やウクライナの他の地域の町々がウクライナ戦争の第二段階にさらされる中、ドイツや他のヨーロッパ諸国はロシアの侵略への効果的な対応策を見出すのにいまだ苦慮している。コラムでは、交渉分析(negotiation analysis)や非協力ゲーム理論を用いて、輸入税や関税が紛争期間を左右する非常に有効な手段となりうることを主張する。これらを明確な段階的アプローチで実施すれば、ロシア戦争を終わらせる時間的圧力を高め、さらなる行動の信頼性を高めることができるだろう。 編集部注:このコラムは、戦争の経済的影響に関するVox討論会(https://voxeu.org/debates/economic-consequences-war)

    ウクライナ戦争の解決の為のドイツおよびヨーロッパのベストオプション (2022年4月26日)
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    ultrabox 2022/05/03
  • ジョセフ・ヒース「ウォーク(正義に目覚めた一部の左派)は戦術・信条において裸の王様・女王様である:リベラリズムの皮を被った反自由主義」(2021年6月23日)

    ウォーク政治活動を理解する上で最も重要なのは、これは伝統的なタイプの「反自由主義」とは異なっており、「反自由主義的リベラリズム」の一種であると考えた方がよいということだ。 Joseph Heath: Woke tactics are as important as woke beliefs Woke language hides illiberal tactics in liberal aims Posted by Joseph Heath on June 23, 2021 ここ数年、進歩主義を装った反自由主義が世を覆いつつあったが、ついにアメリカリベラルたちは団結して行動を起こし始めた。リベラルたちは、「ウォーク」〔woke、社会問題に対して目覚めた(=wake)人々を指す〕の政治活動やイデオロギー的影響力の拡散を阻むために、いくつかの組織を創設したのである。〔ウォークと戦う〕リベラル

    ジョセフ・ヒース「ウォーク(正義に目覚めた一部の左派)は戦術・信条において裸の王様・女王様である:リベラリズムの皮を被った反自由主義」(2021年6月23日)
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    ultrabox 2021/11/27
    辛辣ぅ!(石直球)
  • ノア・スミス「脱成長論はろくでもないってみんなも気づきつつある」(2021年9月5日)

    [Noah Smith, “People are realizing that degrowth is bad,” Noahpinion, September 5, 2021] 脱成長論者が提唱してる狂った構想は,地球を救う物の対策からぼくらの気をそらしてしまう幻想だ. 「脱成長」を唱える人たちがいる――地球を救うために経済成長を停止する必要があるのだと,彼らは言う.今回は,これがすごくダメなアイディアである理由を解説する長文記事を書くつもりでいた.ところが,ぼくが書くまでもなく,すでにそういう文章を書いてる人たちやポッドキャストで語ってる人たちが他にいる.たとえば,ブランコ・ミラノビッチ,ケルゼイ・パイパー,エズラ・クラインといった人たちだ.そこで,かわりに今回は各種の脱成長論をカタログにまとめて,その要点をとらえることにしよう. ただ,その前にまずは,標準的な主張を見ておこう.そうす

    ノア・スミス「脱成長論はろくでもないってみんなも気づきつつある」(2021年9月5日)
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    ultrabox 2021/09/22
  • Aghion et al. 「経済成長を確実にするべくゼロCovid-19を目指す」(2021年3月31日)

    Aghion et al. 「経済成長を確実にするべくゼロCovid-19を目指す」(2021年3月31日) [Philippe Aghion, Patrick Artus, Miquel Oliu-Barton, Bary Pradelski, “Aiming for zero Covid-19 to ensure economic growth,” VoxEU, March 31, 2021] 【要旨】 パンデミックが1年以上も続くなかで,健康と経済のトレードオフはないことがはっきりしてきた.パンデミックの管理に成功をおさめるかどうかは,コロナウイルスのない安全地帯をめざしこれを守るかどうかに左右されてきた.コラムでは,迅速な駆逐戦略を選択することで世界の数カ国はウイルスを制御下においたことを論じる.そうした国々は,死者数と不確実性を最低限におさえることでこれに成功し,いまやすでに経

    Aghion et al. 「経済成長を確実にするべくゼロCovid-19を目指す」(2021年3月31日)
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    ultrabox 2021/04/03
  • デイビッド・アンドルファット「MMTとSMT(標準的金融理論):エリック・ティモワーニュとの対話」(2019年9月4日)

    A conversation with Eric Tymoigne on MMT vs SMT, Macro Mania, dated Sept 4, 2019 MMTのプログラムにはたくさんの不確定な部分がある。今日はそのうちのひとつに注目したい:金融政策と財政政策の関係だ。MMT経済学者に興味が湧く理由のひとつは、彼らが通貨の歴史と実務の詳細に注目していることだ。この点については私は彼らに多くを学んだ。だが、詳細についてはよくあることだが、MMTが関心を持たれている具体的な部分のみに光を当てているのか、もしくは木を見て森を見ない方向に我々を向かわせているのか、考えなくてはならない。もっと大きな観点から言うと、私が(標準的なニューケインジアン理論ではなく)通貨、金融そして負債を真剣に考えるマクロ経済学の分野で育ったこともあり、なぜMMTがこんな大騒ぎになっているのか時々理解するのが難しく

    デイビッド・アンドルファット「MMTとSMT(標準的金融理論):エリック・ティモワーニュとの対話」(2019年9月4日)
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    ultrabox 2020/06/30
  • サイモン・レン=ルイス「いまだに緊縮はよい考えだったと思う人なんているだろうか?」(2020年4月7日)

    [Simon Wren-Lewis, “Who still thinks austerity was a good idea?” Mainly Macro, April 7. 2020] 〔こんな新聞記事を想像してみよう〕もうすぐ2020年も秋を迎える.検査/追跡・隔離の新体制がとられ,一部地域がときおり封鎖されている.これはうまくいっているようだ.経済は,第2四半期に前年比 30% の GDP 下落のあとに回復し始めている.だが,この景気回復はメディアが伝えているものとは異なる.GDP の減少と政府による支援策実施にともなう当然の帰結として,政府の財政赤字は大幅に増えた.メディアはもっぱらこの赤字について語っている.こうしたメディアの懸念に対応して,政府は今後5カ年にわたって政府支出を削減すると公表する.ただし,国民保健サービス (NHS) は「守られる」とのことだ. 政府支出削減のくだ

    サイモン・レン=ルイス「いまだに緊縮はよい考えだったと思う人なんているだろうか?」(2020年4月7日)
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    ultrabox 2020/04/08
    いや、ない(反語)
  • ドレシェル&カレムリ=オズカン「雇用を守るため中小企業にマイナス税を支給せよ」

    Thomas Drechsel, Sebnem Kalemli-Ozcan “Standard macro and credit policies cannot deal with global pandemic: A proposal for a negative SME tax” VOXEU, March 24, 2020 新型コロナウイルス・パンデミックでは,経済を支援する強力な政策介入が必要だ。稿では,中小企業に対する給与総額に基づくマイナスの定額税の費用とコストについての推定を示す。従業員500名未満の全ての企業の給与総額を3か月に渡ってまかなう政策により,アメリカの6,100万が恩恵を受けることができ,その費用はGDPの3%である。 新型コロナウイルスの流行は,標準的な経済活動の鈍化ではなく,医療面でのショックだ。これは不可避の一時的な経済麻痺として具現化しつつあり,その結果

    ドレシェル&カレムリ=オズカン「雇用を守るため中小企業にマイナス税を支給せよ」
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    ultrabox 2020/03/29
  • スコット・サムナー「安倍政権の雇用面での奇跡と無意味な「景気後退」」(2020年2月19日)

    [Scott Sumner, “Abe’s employment miracle and Japan’s meaningless ‘recessions’“, TheMoneyIllusion, February 19, 2020] 2013年のはじめに安倍が政権についたとき,驚愕するほど雇用がよくなるとは,ほぼ誰も予想していなかった(ぼくも含めて).それまでの20年間,就労年齢の雇用はだいたい 70% あたりをうろうろしていた.当時,専門家をつかまえて「これから2010年代の大半を日は「景気後退」のなかで過ごすことになるよ」と言ったら冷たくあしらわれただろうけど,それに比べても,「これから雇用の奇跡が起こるよ」と言った場合の方がよほど冷たくあしらわれたことだろう: ところが雇用の奇跡が起きた.雇用は就労年齢の 78% にまで急激に増えた: さて,いまメディアでは,「日がこの10年で4

    スコット・サムナー「安倍政権の雇用面での奇跡と無意味な「景気後退」」(2020年2月19日)
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    ultrabox 2020/02/21