作家のジョン・アップダイクは少なくとも1日3時間は新作に取り組んだという。なぜなら 「書かないことはあまりにも楽なので、それに慣れてしまうと、もう二度と書けなくなってしまうから」 ぼくは「ぼくモノ」の後、「本を書かないこと」を習慣にしてしまっていた。だから再開することが恐ろしいほど難しかった。これはたとえば、運動を続けていた人でも、1年も2年も休んでから再開すると身体がなまり、ほぼゼロに近いところからのスタートになってしまうのと同じようなものだと思う。 「ぼくたちは習慣で、できている。」も構想期間2年半、製作期間は1年と、とても時間がかかってしまったのもこのためだと反省している。(もちろん時間をかけたおかげで、原稿に反映できた情報がたくさんあってその甲斐はある) 「ぼく習」の校了を終え、解放感に浸っていたのだが、そう長くは持たなかった。プレッシャーが大きかったので、終わったらのんびりしたい