頭部すげ替え前の観音像(左)と、すげ替え後の観音像(右) 観音像の頭部を無断ですげ替えたのは著作権の侵害だとして、仏師の遺族が寺側に元の頭部に戻すことなどを求めた訴訟の控訴審で、知財高裁(飯村敏明裁判長)は25日、請求を一部認め、すげ替えの経緯を説明する広告文を新聞紙上に掲載するよう命じる判決を言い渡した。一審・東京地裁が命じた頭部の原状回復は認めなかった。 問題となったのは東京都文京区の光源寺にある高さ8メートルの駒込大観音。判決によると、観音像は江戸時代の1697年の建立。1945年の東京大空襲で焼失したが、寺の依頼を受けた仏師を中心に93年に再建された。 しかし、にらみつけるような表情に住職が違和感を感じ、檀家(だんか)や参拝者からも改善の要望があったため、99年に仏師が死亡後、仏師の弟子が制作した頭部にすげ替えた。 思想や感情を創作的に表現した美術などの著作物は作者の死後も