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ブックマーク / newsweekjapan.jp (25)

  • 日本を滅ぼすのは外人じゃない

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 現代社会において、移民ほど重要な問題はない。最近、私はそのことを改めて痛感した。 ある夕会で、フランス人の客人2人が日経済について激論を交わし始めた。在京14年のエコノミストは、日には若い世代が少ないため「日が将来生き残るには移民を受け入れるしかない」と主張した。すると、日で24年間銀行員として働いた経験のあるもう1人が、にべもなく言い返した。「だが、ヨーロッパの将来にとって最大の問題も移民だ」 グローバル化は、すべての文化的、人種的、地政学的な壁を取り払ってくれると思われた。200年前のフランス革命が掲げた夢、つまりすべての人間が共通のルールの下で暮らす時代がようやく到来した、と。 世界の国々は、異なる文化や人種の人々が互いに高め合いながら平和に暮らすカリフォルニア州のようになるだろう。そうなれば、「世界規模の移住傾向」にはばかることなく抵

    日本を滅ぼすのは外人じゃない
    umeten
    umeten 2010/05/12
    >日本を滅ぼすのは、地方選挙で投票する外国人ではない。移民問題に向き合わない、無能な日本人の政治家たちだ。
  • 自閉症が個性と認められるまで

    自閉症は単なる病気ではなく人格の一部と主張するアスペルガー症候群の若者が、権利擁護のためのネットワーク作りに奔走する 春のワシントン。アリ・ネエマン(21)は紺のスーツに身を包み、キャスター付きブリーフケースを引いて会議から会議へと飛び回る。 ネットワークづくりの達人で、選挙事務所で生まれて議会で育ったかのようだ。よどみなく政策について語り、政府高官や詮索好きな記者ともうまくコミュニケーションが取れる。礼儀正しく、社交的で、ユーモアのセンスもある。 ただし、ビロードは苦手だ。昔、父親の車のシートにビロード風の生地が使われていて、そこに座ると気が変になりそうだった。「爪の間に入ったらどんな感じか、想像するだけで怖かった」とネエマンは言う。 実はネエマンは医師からアスペルガー症候群(知的障害のない自閉症)と診断されている。ビロードに対する過敏な反応の原因は脳にあり、ネエマン自身はそんな脳が気に

  • 日本の良さが若者をダメにする

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 想像してみてほしい----あなたは、日で生まれ育った18歳のフランス人。東京・飯田橋にあるフランス人高校を卒業したばかりで、将来のことを真剣に考えている(フリをしている)。自分の生きる道は、どちらの国にあるのか。フランスに渡る? それとも日に残る? あなたが新聞を毎日読んでいるなら、答えは自明だろう。もちろんフランスだ。 フランスは「joie de vivre(人生を楽しむ)」国だ。国際的で、若々しくて、開放的。世界1の美女に世界1のファッションブランド、世界1の景色とワインがそろっている。 一方で、日は「未来が約束された国」の座から転げ落ちてしまった。高齢化と景気低迷がものすごいスピードで進み、世界での存在感はすっかり失われている。 日にとって、世界はどうでもいいらしい。政治もメディアも自己中心的で、NHKの7時のニュースは国内ニュースばかり

    日本の良さが若者をダメにする
    umeten
    umeten 2010/04/23
    今はまだユニクロとニトリと無印の時代だけど、すぐにドンキホーテとパチンコ屋の時代になりますから。
  • 墜落死の原因は大統領自身だった?

    ポーランドのカチンスキ大統領夫や多くの要人を乗せた飛行機が4月10日にロシア西部で墜落したが、原因は悪天候の中で着陸を強行したためのようだ。カチンスキは以前から操縦士に圧力をかけて不必要な危険を冒す傾向があったと報じられているが、米政府が得た情報もそれを裏付けている。 注目すべき事例は08年のロシアによるグルジア侵攻のときのこと。操縦士が危険過ぎると主張しても、カチンスキはグルジアの首都トビリシに向かえと何度も迫ったという。操縦士は命令に従わず、隣国アゼルバイジャンに針路を変更。カチンスキは陸路でグルジアに向かわざるを得なかった。 一部報道によると、この操縦士は命令違反で裁判にかけられそうになった。この一件で病に苦しむようになったともいう。 ロシア陰謀論もあったが 今回の墜落事故の直前、現場付近は濃霧のために極めて視界が悪く、航空管制官は別の空港に着陸するよう繰り返し勧告していた。 ポ

  • iPhoneアプリ開発者の貧乏度

    世界で最もホットな多機能携帯電話iPhone向けのソフト開発は、マニアがひと山当てることのできる新ゴールドラッシュだと宣伝された。アップルが専用ソフトを配信するアップストアを始めて1年半たつが、何人の大金持ちが生まれたのだろうか。 アップルは発表しないが、12万5000人の開発者の大半は利益を出せないでいるらしい。人気ゲームの開発者の利益でさえ、一般の想像をはるかに下回る。初期投資すら回収できない例も多い。 米調査会社フォレスター・リサーチによると、ソフトの開発コストは平均2万~15万ドルだが、価格は1個2.5ドル。アップルは初めて持ち込まれたソフトの60%を採用しない。これまで採用された8万5000のソフトのうち、元が取れると思われるのは数百だけだ。 起業家デーブ・バーナードは親から2万4000ドルを借り、出張するビジネスマン向けに車の走行距離と経費を記録するソフト「トリップ・カビー」を

  • 巨乳レストラン「フーターズ」の社長が皿洗いとして自社の店に潜入!

    「アンダーカバー・コップ」というと身分を隠して潜入捜査する警察官のことだが、米CBSテレビの『アンダーカバー・ボス』は、大企業のCEOが自社の末端の労働者として仕事の現場に潜入する番組。 たとえば全米のゴミ処理を独占するWM(ウェイスト・マネージメント)社のCEOがゴミ回収の仕事に就く。周囲は彼が社長だとは知らない。テレビカメラは撮り続けているが単なる取材だと言われている。だからゴミ回収車のドライバーが社のCEOを「このオッサン、いい歳して全然使い物にならないな!」と怒鳴りつけたりする。ボスは初めて社員の苦しみ、生活の厳しさを知り、待遇改善の必要を感じたりする。 先週の「アンダーカバー・ボス」はフーターズの社長コビー・ブルックスだった。フーターズは巨乳レストラン・チェーンだ。ウェイトレスはみな巨乳、それがピチピチのタンクトップとホットパンツでむちむちぷりんと客を迎える。女の子の乳と尻と太

    巨乳レストラン「フーターズ」の社長が皿洗いとして自社の店に潜入!
  • ツイッターはハイチを救えない

    昨年夏に行われたイラン大統領選後の暴動は、世界初の「ツイッター革命」といわれた。だとしたら、1月12日にハイチを襲った大地震は世界初の「ツイッター災害」だ。 2004年のインド洋大津波や翌年のハリケーン・カトリーナ以降、メディアの環境は激変したが、ハイチ大地震ではそれが顕著に表れている。ハイチの最新ニュースを読み、共感を示し、援助の方法を調べるために、世界中のツイッターユーザーがサイトにアクセス。ハイチは瞬く間に、ツイッターの「人気のトピック」に躍り出た。 この波に乗ろうと、ニューヨーク・タイムズやCNNなどの既存大手メディアも、ニュースをリストアップするツイッター内の機能を利用し、現地からのアップデート情報を集めたコーナーを設けている。ツイッター熱は、地震発生からしばらくしても衰えなかった。地震から1週間以上経った1月20日には、首都ポルトープランスでの余震をめぐってアクセスが集中し、サ

    ツイッターはハイチを救えない
  • 格差是正はブラジル式に学べ

    世界で貧富の格差を是正しようとする機運が高まるなか、思いがけず「お手」として急浮上した国がある。ブラジルだ。 03年以降、約2100万人のブラジル人が貧困から抜け出した。結果、それまで少なかった中流層が増加し、ブラジル社会で大きな存在感を見せるまでに成長した。ブラジルは、2015年までに貧困層を半減させるとした00年の国連のミレニアム開発目標を、08年の時点で既に達成している。 もっとも、貧困層を底上げしたというだけなら、珍しくはない。過去20年間の世界的な経済成長と医療制度の充実のおかげで、どの途上国でも見られる現象だ。ブラジルが際立っているのは、貧困層の生活の向上がほかのどの階層よりも急速だからだ。03〜08年の間に、富裕層の上から10%の収入の増加は11%だったのに対し、最下層の下から10%の収入は72%も上昇した。貧富の格差は03年以降、5・5%減少している。 特筆すべきは、世界

  • ポンティアック、タワレコ、MDディスク......2000年代に消えたもの

    ゼネラル・モーターズ(GM)がポンティアックとサターンの投げ売りバーゲンをすると発表した。どちらも2009年に生産を終えたブランドだ。 09年5月にデトロイトに行った時、ポンティアック市を訪ねた。この街出身の有名人にはマドンナがいる。彼女の父親はポンティアックのエンジニアだった。 ポンティアック工場の向かいにある労組事務所で話を聞いた。広報担当者は「工場がなくなれば、ポンティアックという市自体が消えてしまうだろう」と嘆いた。「いいかい? 私たちが生まれ育った町自体が消滅するんだ」 ポンティアックといえば、筆者の世代にはなんといってもファイヤーバード・トランザムだ。ボンネットいっぱいに火の鳥を描いた70年代マッスル・カーだ。同じく70年代を象徴する胸毛にヒゲのスター、バート・レイノルズがトランザムでうるさいパトカーをやっつけるアクション・コメディ『トランザム7000』(77年)という映画まで

    ポンティアック、タワレコ、MDディスク......2000年代に消えたもの
  • 警察よ、ムダな抵抗はやめなさい

    今週のコラムニスト:コン・ヨンソク 東京に住んでいて、久しぶりに大いにムカついたことがあった。ジムで気持ちよく汗を流した後、車を運転して帰路についていたときのことだ。コラムのアイデアがおぼろげに浮かんだ僕は、近くの大きな公園沿いに車を止めた。忘れないうちにアイデアの糸口をつかみ、具体的な形にしておくためだ。 だが、ほんの1~2分が経ったころだろうか。若い2人組の警官が、窓越しに近づいてきた。僕は駐車違反を取締まっているのかと思い、「わかりました」と合図して、すぐに車を出そうとした。 だがそうではなかった。彼らは車の中を見せてほしいというのだ。その時僕が乗っていた車はディーラーから借りていた代車で、荷物は汗だらけの服が入った小さなナップザックだけだった。 僕は「どうぞ見てください」と親切に答えたが、わざわざ車を降りて確認をしてほしいという。面倒くさいと思ったが、この国に住む多くの人のように従

    警察よ、ムダな抵抗はやめなさい
  • 全米最悪FOXニュースの偏向ぶり

    FOXニュースは右派寄りの偏向報道を行っている――10月8日、ホワイトハウスのコミュニケーション責任者アニタ・ダンにそう非難されたとき、FOXはこの種の批判を受けた際のいつもどおりの態度を取った。偏向などしていないと反論する一方で、実際には紛れもない偏向報道を続けたのである。 FOXのウェブサイトでこのダンの批判に関する記事を読めば、一目瞭然だ。その記事は5人の人物のコメントを引用しているが、そのうちの2人はFOXで働いている人間。5人がそろいもそろって、オバマ政権高官によるFOX批判を事実無根と非難し、あるいは政治的に愚かな行為だと嘲笑している。ダンの主張を支持する人物のコメントは1人も引用していない。まさしく、偏向報道のお手のような事例だ。 ウェブサイトだけではない。テレビのFOXニュースにチャンネルを合わせると、いつものキャスターやコメンテーター連中が同じ主張を異口同音に唱えていた

    umeten
    umeten 2009/10/20
    そして、「FOXが一番信用できるメディア」だと答えるアメリカ人が多数派だという事実。
  • ヒロシマ・ナガサキ五輪? そんなにオバマの足を引っ張りたいのか?

    での「祝賀」報道とは裏腹に、9日に発表された「ノーベル平和賞」受賞のニュースは、アメリカ社会にとって、そしてオバマ大統領にとっても驚きと困惑以外の何物でもありませんでした。慎重に言葉を選んだ9日午前の会見、そして12月の授賞式にノルウェーには行くが、賞金は全額寄付するという「苦渋の落としどころ」その全てがオバマの「窮地」を物語っています。 問題は2つあります。まず医療保険改革でアメリカの保守派と全面対決状態のオバマにとっては、「国際派エリートのきれいごと」を嫌う保守派をこれ以上刺激したくないということがあります。また、アフガンの戦況が思わしくない中、平和賞をもらっておきながら増派というのも国外から非難されますし、逆に平和賞をもらった勢いで宥和策などということでは、やはり国内保守派からは強硬な反対が起きるのです。 オバマの周囲は「先週の五輪が当たりで、今回の平和賞がハズレだったら良かった

  • ゲイの新外相がもたらす意識革命

    ドイツでは9月27日の総選挙でメルケル首相が率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が第1党となり、自由民主党(FDP)と中道右派連立政権を樹立する見通しだ。新内閣で外相に就任するとみられるFDPのギド・ウェスターウェレ党首は、同性愛者であることを公表している世界初の外相になるかもしれない。 アイスランドのシグルザルドッティル首相をはじめ、ヨーロッパでは同性愛者の政治家は珍しくない。その一方で、世界には同性愛者を投獄したり拷問、殺害している国家もある。 ウェスターウェレがドイツ外交の顔になると聞けば、こうした国々は渋い顔をするかもしれない。だからこそ、彼は就任したら真っ先に同性愛者を迫害している国々を歴訪し、それぞれの国で同性愛者が置かれている状況について問題提起すべきかもしれない。 イランでは同性愛者が死刑に まずはイランから始めてはどうだろう。アハマディネジャド大統領はかつて、

  • ついに逮捕者を出した「日米の親権争い」、ヒラリーはどう出てくる?

    このブログで以前にお話した日米での親権争いですが、遂に今週は逮捕者を出すという事態となりました。まず改めて背景をお話しておきましょう。世界中で国際結婚が増加する中、国際間の結婚が不幸にも破綻した場合に、親権を決め、親権のない方の親の面会権を保障し、養育費の支払いに強制力を働かせなくてはなりません。その場合に、子供の人権を守るために国境を越えて関係国が協力して、離婚調停の結果を履行させるために「ハーグ条約」というものがあり、多くの国がこれを批准しています。 ところが日はこの条約を批准していません。理由は明白で、日の民法では両親が離婚した際に、(1)子供が双方の親を行き来する共同親権制度がない、(2)親権のない方の親の面会権が保障されていない、(3)養育費の支払いについて「差し押さえ」などの法的な強制力がない、という制度となっており、ハーグ条約の前提を全く満たしていないからです。これに加え

  • 政権交代でも思考停止の日本メディア | TOKYO EYE | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー トイレを修理してもらうために呼んだ業者にこんなことを言われたら、どうだろう。「うーん。ちょっと待ってください。セカンドオピニオンを聞かないと」。さらに悪いことに、医者にこう言われたら?「おかしな病気ですね。医者を呼んできます!」 8月30日の総選挙で民主党部に詰めていたとき、私の頭に浮かんだのはこんなバカげた光景だった。日のジャーナリスト5人に、次々と同じ質問をされたのだ。「政権交代をどう思いますか」 そういう疑問に答えるのが、ジャーナリストの役目ではないのか。そもそもそのために給料をもらっているのでは。その場に居合わせたイギリス人ジャーナリストが私に言った。「よくあんな質問に答えましたね。あんなものはジャーナリズムじゃない。日の記者はただ騒いでいるだけ。今夜、この国が根から変わったことを理解していない」 総選挙を境に日は根底から変わった──

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  • 鳩山首相「国連総会演説」は100点満点で何点?

    鳩山首相もスタンフォードの博士課程では苦労されたと思いますから、アメリカの「テストの点数」には敏感かもしれません。というのも、A評価というのは試験やその他の要素を足して90%に達していないとダメという厳しい掟があり、しかもその成績はGPAという平均点の構成要素として一生ついて回るからです。さて、その鳩山首相が今回、国連総会での演説で「外交デビュー」を果たしました。演説は成功だったのですが、100点満点で採点するとどうでしょう? 90点以上のA評価ということにしても問題ないのですが、ここは辛口に88点の「Bプラス」評価ということにしておきましょう。 とにかく成功したということは間違いありません。「90年比25%削減」という数字をしっかり主張して国際協調を要請したこと、途上国にも理解を強く求めつつ支援策の枠組みを示したこと、12月のコペンハーゲン会議へ向けての意欲を示したこと、この3つのメッセ

  • 誤爆問題で「戦争嫌い」のドイツ軍に転機

    これは「安定化軍」 戦争という言葉は禁句のまま(アフガニスタン北部の基地で、8月) Ruben Sprich-Reuters ドイツ軍にとって生死を懸けた戦闘は約60年ぶりだ。混迷を深めるアフガニスタンにドイツ軍部隊4200人が派遣されている。だが総選挙を9月27日に控え、メルケル首相をはじめとする政治家は「戦争」とは言わず、「安定化軍」などと遠回しに表現してきた。 そんな建前を打ち砕く出来事が起きた。4日、アフガニスタン北部クンドゥズ州で、駐留ドイツ軍司令官が米軍に要請した空爆で、タリバンや民間人に多くの死者が出たのだ。ドイツ軍絡みでは第二次大戦以来最悪の惨事になった。 慌てたドイツは、軍を再び戦闘部隊として使うことを大っぴらに議論し始めた。遅過ぎるくらいだ。90年のドイツ再統一の際には、同国は徐々に経済規模(当時は世界第3位)に見合う役割を果たすようになるとみられていた。 ドイツ軍は紛

    umeten
    umeten 2009/09/26
    >ドイツ軍は紛争地域に医師や平和維持軍を派遣したが、「戦争」は禁句のままだった。  日本の自衛隊と同じようなジレンマがあったのか。
  • 「記者クラブ閉め出し騒動」に見る民主党のお粗末な情報管理

    民主党政権が成立した16日、ネット上の話題を独占したのは、年金問題でも財源問題でもなく、鳩山首相が「会見を記者クラブ以外のジャーナリストにも開放する」という約束を破って、フリージャーナリストを締め出した事件だった。たとえば稿を書いている17日午後の段階で、「はてなブックマーク」の人気エントリーで、民主党に関する8の記事は、すべてこの「約束違反」に関するものだ。 もともと民主党は、定例会見を記者クラブ以外のジャーナリストにも開放してきた。鳩山由紀夫氏も、選挙前の記者会見でフリージャーナリストの上杉隆氏に「私が政権を取って官邸に入った場合、上杉さんにもオープンでございますので、どうぞお入りいただきたい」と答えている。ところがインターネット報道協会が首相官邸や民主党に送った出席要望書に回答はなく、首相会見には海外メディアの記者10人程度と雑誌記者5人の参加だけが許可された。 当初は「鳩山氏は

    「記者クラブ閉め出し騒動」に見る民主党のお粗末な情報管理
  • 「民主308議席」の民意とは?

    民意が2大政党を行き来するアメリカでは、大きな政権交代の波には必ず「民意の核」が見えるものです。例えば、昨年のオバマの「チェンジ」を支持した民意は、ブッシュの一国主義的な軍事戦略の行き詰まり、そして金融グローバリズムの「虚業」にバブルを生ませ破綻させた経済政策、この2つへの「ノー」でした。その核にある感情は「アメリカはもっと世界から尊敬されるはずだ」という思いと「自分たちの生活不安を解消してほしい」という思いの交錯したものでした。この「核」が巨大な波を起こし、史上初の黒人大統領候補を圧勝させたのです。 今回の「民主308議席」を動かしたのも似たような「核」です。そして今回の場合は、「日はもっと善なる国家イメージを周囲に与える中で紛争に巻き込まれないという安全を指向すべきだ」という軍事外交のニュアンスもありますが、それ以上に「自分たちの生活の先行き不安を解消してほしい」という思い、いや一言

  • イスラエル排斥論の大波紋

    パレスチナ問題の解決には国際社会がイスラエルをボイコットするしかない──有力イスラエル人学者がそう表明したため波紋が広がっている 8月20日、ロサンゼルス・タイムズ紙は「イスラエルをボイコットせよ」と題した勇気ある論説を掲載した。 テーマは、ヨルダン川西岸とガザ地区の占領を続けるイスラエルに対する「BDS(ボイコット、資の引き揚げ、経済制裁)キャンペーン」について。執筆者のイスラエル人政治学者ネーブ・ゴードンは、パレスチナ問題の解決策としてボイコット運動をやむなく支持すると表明した。 ベングリオン大学(イスラエル)政治科学学部で学部長を務めるゴードンは、多くの著書があり、大学から終身在職を保障されている研究者。敬虔なユダヤ主義者であり、イスラエル国防軍のエリート部門である空挺部隊での兵役中に負傷したこともある。 論説の中でゴードンは、イスラエルは歴史的な転換点に立っており、最悪の事態を回