こことの関連で、「社会的差別」という問題について、ちょっと書きたくなったので書いてみる。結論をあらかじめ述べておくと、種々の「社会的差別」と、たんなる個人的な不利益一般の問題とは、まったく別の問題だということだ。そのへんをごっちゃにしてしまうと、あれも差別、これも差別、ということになって、話がどんどん拡散してしまうよと。 たとえば、先生が特定の生徒をひいきしたり、スケベな社長さんがお気に入りの女性社員を優遇するというようなことは、世間では珍しくもない。それは、たしかに他の生徒や社員からすれば不当ではある。しかし、その理由が、相手が「ゴマすり上手」とか「言うことをよくきく」、「容姿がいい」などといった、その先生や社長さんの個人的な好みや利害から発する限り、それは「社会的差別」の問題ではない(厳密に言えば、そこでもなんらかの「社会的価値観」が働いているということはなくはないが)。 「社会的差別