分子式というのは分子が存在する物質に限って用いられ、その分子に含まれている原子をその数とともに示したものです。 たとえば、水:H2O、アンモニア:NH3といった感じです。 組成式というのは、その物質を構成している原子を最も簡単な整数比で表したものですが、それには2つの可能性があります。 (1)分子が存在する場合でも、種々の理由によって、分子式で表すのが困難な場合には組成式で表します。 たとえば、ダイヤモンドやイオウは高分子ですので、分子式で表そうとすれば構成している原子数を知る必要がありますが、それは個々のダイヤモンド等によって異なっており、正確な原子数を知ることは不可能です。したがって、ダイヤモンド:C、イオウ:Sのように表します。 また、高分子以外でも、種々の理由によって、たとえばベンゼン:C6H6などを、CHという組成式で表すこともあるでしょう。 (2)分子を形成しない物質の場合には