記事保存 日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。 山中伸弥・京大教授や作家の林真理子さんら、新元号の「有識者懇談会」メンバーとされる人々は、4月1日に原案に対して意見を求められる。中国古典や国文学の大権威が、知恵を絞って作成した元号案を判定するのだから大変だ。平安時代以降の改元選考の際には「難陳」と呼ぶ、元号案について一つ一つ意見を述べる議論の場が朝廷にあった。言論の自由も民主主義もない時代に、参加した公卿は官位に関係なく自由に意見を闘わせ、時にはケンカになることもあったという。久禮旦雄・京都産業大准教授に聞いた。 ■「天保」は「一大人只十」だから不可 昭和の大ベストセラー作家・吉川英治の「新・平家物語」には元号を選定するシーンがある。 「天寿はどうでしょう」「いかんなあ。異国の隋朝にも議せられた年号だよ」 「承宝は?」「承は