以前観た映画をもう一度観直すと、よく新たな発見があるものだけど、今回は、「全然考え違いをしていたんじゃないか!?」…という話。 デヴィッド・フィンチャーの『セブン』という作品は、いまだに彼のベストワンだと思っている。 何故なら、彼の他の監督作に比べ、脚本が圧倒的に優れていて、文学的、哲学的な価値さえあるからだ。 脚本家アンドリュー・ケヴィン・ウォーカーは、長年このアイディアを持ち続け、ブラッシュ・アップしてきたという。 彼の書いた脚本の中でも、『セブン』は、観客の趣向におもねるような、通常の脚本の作られ方をしていないということもあって、はるかに上質で、意味のある出来となっているといえるだろう。 しかし、私はこの作品のラストを、つい最近まで、バッド・エンドだと思っていた。 「猟奇犯罪者の目論見通りに事件は推移し終結を迎えるが、最後にモーガン・フリーマン演じるサマセット刑事が、ヘミングウェイを