バチカンが中国政府との間で、中国国内のカトリック司教任命について暫定合意書を取り交わしてから一か月経ったが、いまだに暫定合意の具体的内容は明らかにされず、「正式合意」への進展も明らかになっていない。 こうした中で、自身も中国国内で1996年まで教会活動の先頭に立った経験を持ち、中国の戦後のバチカンとの関係と現在の実情に精通している前香港司教の陳日君枢機卿が、米ニューヨーク・タイムズ紙に寄稿し、「暫定合意は、中国における真のカトリック教会の”殲滅”への大きな一歩だ」「教皇フランシスコは中国共産党を理解されていないように見える」と強く警告した。 陳枢機卿が22日付けの同紙に寄稿したもので、バチカンが中国の共産党政権と外交関係を断った1950年代以降の、中国おけるカトリック教会の活動、教会の指導者たちの中国政府への対応、時々の教皇の対中問題への対応などについて、概略を説明したうえ、現教皇のフラン