30代前半の自由民主党の現職候補者2人が、12月16日の総選挙に向けて、東京の街頭で遊説を開始した。有権者に訴えたのは「新しい自民党」だ。彼らは国会議員というよりもJポップバンドのメンバーのような雰囲気を醸し出しており、若い女性は黄色い声を上げ、子供連れの主婦はうっとりと見つめた。選挙戦初日として、幸先のよいスタートに見えた。 しかし彼女たちが彼らを熱烈に歓迎したほとんど唯一の理由は、候補者の片方が小泉純一郎元首相の息子であるイケメン議員だったからにほかならない。2001〜06年に日本を率いた小泉元首相は、近年まれに見るカリスマ指導者として記憶に新しい。 政策的な議論は何もなかった。「新しい自民党」はこれまでとどこが変わるのかと訊ねられた1人の候補者は、ただ一言、「すべてです」と答えた。 自民党の勝利が予想されるが… 世論調査によると、自民党が過半数を再び制する見込みだ。同党は、2009年