ある夏の日、僕は友人といっしょに地図を見ながら、相談した。ふたりでオートバイをつらね、どこをどう走ったらいいだろうかという相談だ。いろんなアイディアが出つくして、最終的にきまったのは、この川に沿って走ってみよう、ということだった。地図のなかから選び出した一本の川を、その源流から最終的な河口まで、オートバイでたどりつつ走ってみようというのだ。 源流がある山のふもとの村で、僕は友人と落ち合った。二台のオートバイは、夏の日のなかを、その川の源流をめざして、山裾を登っていった。源流には、思いのほかあっけなく、到達することが出来た。これがやがてあの川になるとは、とうてい想像もつかないようなたたずまいで、源流は静かにささやかに、そしてさすがにきれいに澄んで冷たそうに流れていた。 その冷たい澄んだ水で水浴びをし、さあ、みそぎはすませた、などと言いながら、源流の流れに沿って、下っていく。最初に出会う橋は、
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