<選挙戦中から恐れられていたことだが、いよいよトランプ政権の極右、バノン首席戦略官の暴走が始まったかもしれない。選挙の洗礼も議会の審査も受けていない男が安全保障の最高意思決定機関NSCの常任メンバーにとり立てられて、我慢も限界だという声が上がっている> イスラム教徒が多数派の中東・アフリカの7カ国の国民の入国を一時禁止し、内戦から逃れるシリア難民の受け入れを無期限停止する──こんな出来すぎた大統領令を、ドナルド・トランプが一人で考えられたはずはない、と信じる人は少なくない。トランプ米大統領でなければ一体誰の仕業か。多くが黒幕と疑い、何としても暴走を止めたいと思っている男が、スティーブン・バノン大統領上級顧問兼首席戦略官だ。 大統領令が出た翌日の土曜、「バノン大統領を阻止せよ(#StopPresidentBannon)」のハッシュタグがツイッターで拡散された。やり玉に上がったバノンは、右派ニ