先週末(10月28日)の地域漁業学会の報告の要旨です。 一応,解禁だろう… 東村玲子*・大西学** (*福井県立大学・**名古屋外国語大学) 1.問題意識 現在,日本では7魚種を対象にTACによる漁業管理が行われている。TACの下での漁業管理の方法として個別割当(IQ)や譲渡可能個別割当(ITQ)を採用している国も多い。また,そうした事例が漁業管理の成功事例として紹介され,逆に日本のTAC管理が「オリンピック方式」として批判されることもある。それでは,IQやITQを導入しない日本のTACでは漁業管理は上手く行っていないのであろうか。本報告のタイトルにある「日本型TAC」とは,次の特徴を特に意識している。①TACは政府が決めるが,その運用は原則的に業界団体が行う,②漁獲量は産地市場での仕切り伝票から導き出される。 2.目的と課題 本報告の目的は,TAC以前より漁業者(組織)による自主的管理が