昭和20年、広島県・呉市。戦時下でありつつも、当たり前に営まれていた人々の暮らし、そして恋模様をサラリと描いた漫画「この世界の片隅に」(こうの史代・双葉社)が、アニメ映画化される。 監督は、「ブラックラグーン」(2006年)や「マイマイ新子と千年の魔法」(2009年)でファンの熱狂的支持を集め、最近では復興支援ソング「花は咲く」(2013年)や、「これから先、何度あなたと。」(2015年)などのミュージック・ビデオで知られる片渕須直さん。 「この世界の片隅に」のアニメ化企画は、クラウドファンディング・サイト「Makuake」(マクアケ)で3622万円を集め、新記録を樹立した。しかし、その実現への道のりは、決して平坦ではなかった――。2016年秋公開を目指して作業中の片渕須直監督に、制作スタジオMAPPAで、お話をうかがった。 漫画をアニメーション化する醍醐味 ――「この世界の片隅に」の特報