「今、自分の中にあった歴史がさらに進む瞬間を見てるんだ」っていう嬉しさがありました。 ――― おふたりの最初の接点は? 辻村 私がずっと幾原監督の大ファンだったんです。それで、自分の小説の2作目である『子どもたちは夜と遊ぶ』が文庫になる時に、ダメもとで幾原監督に解説をお願いしたのが最初です。そうしたら、まさかのご快諾を。その解説に「辻村深月は僕の妹だ。……なんてね。」と書いていただいて、それまでの日々が報われたというか……「創作の世界そのものの中に入りたい」という気持ちがすごくあった時に、伸ばした手を幾原さんにきちんと捕まえてもらった感じがしました。 幾原 そうでしたね。小説、面白かったです。「共通の風景を見てきたな」っていう感じられるディティールが随所にあって、その意味で、「妹」という言葉を使ったんじゃないかと。「スティーブン・キング的だな」っていう印象も受けました。そういうところも含め