愛媛県今治市で7月下旬、ウナギのかば焼きを食べた約200人がサルモネラによる食中毒となった。暑い夏は、サルモネラだけでなく、腸管出血性大腸菌O157やカンピロバクターなど細菌による食中毒が増える。海外では食品への放射線照射が食中毒予防に効果を上げているが、日本ではこれが禁止されている。WHO(世界保健機関)も認める技術なのに、利用できないのはおかしいとの声が上がっている。 米・加は牛肉に使用 放射線照射は、放射線の透過力の強さと、生物のDNAが放射線に弱いことを利用した処理技術。温度を上げずにDNAに作用して細胞分裂を止め、殺菌や殺虫、芽止めができる。 食品への照射は、海外では農産物の保存や食中毒防止、植物検疫などを目的として使われている。日本原子力産業協会によると、2013年の世界における食品照射の処理量は推定で年間約100万トン。 食中毒防止に効果があるのは、食品内部の細菌もしっかり殺