北陸地方のとある街に住むかずと氏は40代半ば。一回り年下の相方と暮らすゲイの男性である。彼は、『新潮45』2018年8月号に掲載された杉田水脈論文が、LGBTに対する差別だと猛烈な批判を浴びたことに、当事者として大きな疑問を感じた。 この思いを自身のブログにぶつけたところ、その文章が『新潮45』編集部の目に留まり、「そんなにおかしいか『杉田水脈』論文」と名付けた10月号の特集の7名の執筆者の一人になった。しかし、当事者であるかずと氏のこの論文は、なぜか黙殺されてしまった。 私は彼に会いに、北陸の街を訪れた。駅に出迎えてくれた彼は、感じのいい小柄な普通の男性である。彼は「ホモも単なる男です」という。「ホモ」という言葉は最近、差別語ともいわれるが、彼はあえてこの言葉を使う。そして、「私はLGBTとは無縁なホモにすぎない」ともいう。 「気がつけば、当事者とは無縁なところに、LGBTなんていう世界
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