数学の力でのビール造り、今回は完敗――。千葉大大学院の萩原学教授や学生が数学の一種の情報数理学を活用して2月に完成させたクラフトビールが、全国大会で入賞を逃した。萩原さんは「方向性は間違っていない」として再挑戦する意向だ。 萩原さんらは、理想とする香り、雰囲気を持ったビールをつくるのに専門知識がなくても原料となるホップを選択できるように相関図を開発。数値化できない概念の解析を可能にする抽象代数の「束論」という理論を活用した。 学生らとこの図を元に、フルーティーなどのキーワードにあう「エルドラド」というホップを選択。クラフトビール醸造所兼パブの「むぎのいえ」(習志野市)で仕込みを行い、2月上旬に150リットルを完成させた。「Chiba・Dorado・0(チバドラドゼロ)」と名付けた。 だが同月末にあった国内最大級のクラフトビールのコンテスト「ジャパン・グレートビア・アワーズ」では入賞を逃した