ウナギ資源の減少はニホンウナギだけにとどまらない。主に食用になっている他の2種、欧州のヨーロッパウナギと北米のアメリカウナギも、ニホンウナギと同様に個体数の減少が目立つ。 中でもヨーロッパウナギの状況は深刻で、国際自然保護連合(IUCN)の絶滅危惧種リスト(レッドリスト)では、最も絶滅危険度の高いランクである「近い将来に極めて絶滅の恐れが高い種(CR)」とされ、ワシントン条約の規制対象種にもなっている。アメリカウナギも、米国東海岸の各州レベルで漁獲の禁止措置や規制が導入されている。 ウナギ減少の理由は必ずしも明確にはなっていない。だが、重要なものとして指摘されているのが、河口堰やダム、水力発電所などウナギの遡上や降下を阻む巨大な河川構造物の建設だ。これに、河川や湖沼の護岸のコンクリート化などによる生息地の破壊も加わって、ウナギの生息に大きな影響を与えたとされている。 北関東の利根川流域や茨