まえがき この記事では、筑波大学名誉教授の中川八洋氏の著書『侵入異民族アイヌの本当の歴史』に対する反論を行っています。残念ながら、現在までに所謂「アイヌ民族否定論」を唱えた本は何冊か出版されていますが、この本の特筆すべき点は、筑波大学名誉教授という肩書を持つ人物が執筆しているということでしょう。恐らく、これまでに出版されたアイヌ民族否定論の本の中では、一番社会的地位の高い人物が執筆した本になると思います。 そして、この本はヒカルランドというトンデモ系出版社から刊行されていることも、もうひとつの特筆すべき点でしょう。たとえ筑波大学名誉教授という社会的地位を持つ人物であっても、ヒカルランドのようなところから本を出版してしまうのは(ヘッダーの本は全てヒカルランド)、自分の社会的地位を安売りしているように見えてしまうのですが、どうなのでしょうか。 この記事では、アイヌ民族が著者の主張する「侵入異民