本を読んでいると、「ママ」もしくは「原文ママ」という表記がでてくることがある。これは、ある文章を引用したいのだが、元の文章に漢字のまちがいや文法上の誤りなどがあった場合に使われる。なにかを引用する場合には、すべてオリジナルのテキスト通りに引用するのがルールだから、そうした誤りも引用側で勝手に訂正したりせずに、いったんそのまま書き写した上で、「ママ」もしくは「原文ママ」と注釈をするわけだ。ようするにこれは「まちがってるけど、そのままです」の意味である。 わたしはこれがわからなかった。はじめてこの表記を目にしたのは、きっと中学生くらいだったとおもうが、いったいなんのことかわからなかった。誰も、こんな表記があることを教えてくれなかったからである。「ママ」ってなんだ。なぜかはわからないが、引用された日本語の誤りと「ママ」との関係に気がつかなかった。だからとうぜん、これはお母さんのことなのだなとおも