久しぶりのソロ名義アルバムを出したシンガーのPhew 個性際だつ歌声で幅広いファンをもつシンガーのPhew(フュー)が、ソロ名義では15年ぶりになる新作アルバム「ファイヴ・フィンガー・ディスカウント〜万引き」を出した。エルビス・プレスリーから寺山修司の歌まで、すべてカバーの異色作だ。 1970年代末に日本最初期のパンクバンド、アーントサリーでデビュー。その後は坂本龍一やドイツのミュージシャンらとジャンルや国境を超えて活動してきた。近年はバンドMOSTなどでコンスタントに作品を出してきたものの、ソロ名義は95年以来、途絶えていた。 「2000年代は、私のような歌声が届きにくい時代だと感じていた。時代や聴衆と共鳴する声ではない。元祖KYっていうんでしょうか。物心ついた頃から『場の空気を読めない』と言われていましたから」と笑わせる。 本作でも、冷淡ではないがどこか突き放したような、我が道