『CANARY』 志賀理江子 デザイン:森大志郎 出版社:赤々舎刊 販売価格:¥5,250(税込) (本体価格:¥5,000) 注文数 冊 ─ あとがきより 撃たれて死ね。 印画紙が証拠品となる。プリントされた像は生ものであるかのごとく臭気を帯び、目の前にたちあらわれた。この世の時間軸が写真側にあるとすれば、私は全くその圏外にいて、“現在”という宙ぶらりんでつかむことができない不確かなものから逃れようと、その確かに存在する軸への手がかりを必死に探す。 私という死に向かう、流れる時間そのものに対し、止まった時を作る行為は祈りに似て、自己と対立する存在への強い欲望、執着の線上にイメージは成り立つ。 撮影の際、偶然を引き起こす仕掛けを自ら作り込み、なおかつ自分が意識的に持つビジョンのコントロールを失うべく、予測不可能にカメラに撃たれることを待っている。 写真を撮る『shoot』=撃つ、殺す