対立する一和会系とみられるヒットマンに狙撃された竹中正久・4代目山口組長が搬送された大阪警察病院(大阪市天王寺区)。安否を知ろうと駆けつけた組員らの怒号が飛び交い、警戒に当たる警察官とのにらみ合いが続く中、病院の中から出てきたひげ面の男が警察のハンドマイクを借りて、集まっていた組員たちに呼びかけた。 「静かにせい。いま騒いだからというて、オヤジが助かるというもんやない」 山口組最高幹部の一人の岸本才三・岸本組長だった。静かになった組員たちに向かって岸本組長が続けた。 「いま、オヤジは手術中や。輸血が必要や。O型のもん、5人だけ中へ入れてもらえ。O型のもん、手ぇ挙げてみぃ」 その言葉に集まった組員たちから大きなどよめきが起きた。 「うぉ~」 瀕死(ひんし)のトップの体に自分の血が入る。そう感じたのだろうか、ほとんどの組員が手を挙げた。 「えっ、山口組の組員ってみんな血液型はO型? そんなアホ