昭和60年8月、日航ジャンボ機が御巣鷹山に墜落しました。 このとき、御巣鷹山のある群馬県上野村の村長であった黒澤丈夫氏が、 かつて海軍士官搭乗員として零式艦上戦闘機に乗っていたということが、 いろんな媒体で報道されました。 この史上最悪の飛行機事故が、飛行機乗りであった黒澤氏に取って どう捉えられているか、マスコミはその点に注目し、 インタビューをした媒体も多かったようです。 「飛行機を操縦していて、操縦不能、 あるいは操縦困難だったという経験はあるか?」 この質問に対しての黒澤氏の答えはこうです。 「パイロットがですよ、操縦不能に陥るなんという事は、 死ぬ時以外は殆ど体験しないと思いますよ」 一時的にエンジンが止まるとか、細部が少し傷んだ、 というようなことはあっても、上下左右、向きを変えることが出来ない という経験はなかった、というのです。 だからね、パイロットはもう、本当に悩み苦しん