昭和の女子高生はやけに占いが好きだった。 当時私の住む田舎町より少しだけ都会の町で、手相がよく当たると評判の喫茶店があった。 指が一本短くてちょっと怖いマスター。 カレーを食べた客に頼まれるとサービスで手相を見てくれるという店だった。 インベーダーゲームのテーブルにカウンター、過去にパトカーが来ていたこともあるという、今考えるとかなりいかがわしさのある喫茶店だった。 それでも一回はものすごく当たるという手相を見てもらいたくて友達とわざわざ一時間くらい汽車に乗ってカレーを食べに行った。 女子高生がカレーを頼む=手相というパターンが出来ていたので食べ終わるとカウンターに招かれ占いがはじまった。 友達は恋愛のことを相談した。 今思うとお前はこういうタイプだとか、好きな奴がいるんだろうとか、誰でも言えるような適当な事を言っていたような気がする。 占いというよりは人生相談みたいなものだった。 その占