8月19日の朝刊スポーツ欄には「伊調・登坂・土性、トリプル金」の見出しが躍っていた。3人とも「奇跡的」という形容が決して大げさではない大逆転の末の金メダル獲得だった。 ふと紙面の下の方に視線を移すと「全国高校総体」の成績欄があった。「女子50メートル自由形、1位池江璃花子」の文字に目が止まった。 確かにリオデジャネイロオリンピック女子競泳の競技は全て終わっていたはずではあるが、スケジュール的にはありえなくはないが、池江選手は今年の春に高校に入学したばかりのスーパー女子高生であるとの報道を聞いたことはあったが、それにしても、まさか。 新聞記事を見つめたまま紙面をめくる手がしばらく動かなかった。 オリンピックで池江選手は、8月7日からの一週間で自由形、バタフライ、リレーなど7種目で12戦に出場した。100mバタフライでは予選、準決勝、決勝の3レースで泳ぐたびに日本記録を更新したのはまだ記憶に新