コロラド州シャイアンマウンテン基地は、花崗岩の岩山をくりぬいて作られた巨大な地下施設であり、メガトン級の核爆発にも耐えられるという世界有数の大規模な核シェルターでもある。 かつては、アメリカとカナダの統合防空組織である北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)の本部が置かれ、冷戦期にはソ連の爆撃機や大陸間弾道弾を24時間体制で監視する重要拠点として、核戦争の最前線を担っていた。 ところが、その運用の非効率さが問題視され、2006年に本部機能はピーターソン空軍基地内の地上施設に移転。現在は、稼動可能だが緊急事態が起こるまでは待機という「warm stand-by」という予備的な形で維持される基地となってしまった。 こうし状況はカナダ側でも同じで、NORADの一翼を担ってきたオンタリオ州ノースベイ空軍基地内にある、通称「Hole」と呼ばれた地下シェルター施設も、現在はシャイアンマウンテン基地と同じく