「原告の請求を却下する」 6月7日、ソウル中央地裁は異例の判決を言い渡した。戦前に日本企業で強制労働をさせられたと主張する韓国人労働者85人が、住石マテリアルズなど日本企業16社を相手取り、1人当たり1億ウォン(日本円で約980万円)の損害賠償を求めた訴訟で、ソウル中央地裁は原告の請求を却下、つまり門前払いしたのだ。 2018年10月に韓国最高裁が日本製鉄 に損害賠償を命じて以来、日本企業の敗訴が続いていた、いわゆる「徴用工」訴訟。この判決は、内容もそうだが、言い渡しの期日が2度にわたり前倒しになるなど、まさに「異例の判決」だった。 いわゆる「元徴用工」の遺族である原告にとって、請求却下という今回の判決は青天の霹靂だった この記事の画像(3枚) 訴訟での請求権行使は制限される 「却下」というのはそもそも裁判が成立しないという門前払いのことだ。裁判で審理を重ね、双方の意見を取りまとめた上で原