チュー氏は同級生だったカイル・デービス氏と共に3ACを世界最大級の仮想通貨ヘッジファンドに成長させた。数十億ドルの運用規模はウォール街の尺度で見れば決して巨額ではない。だがデジタル資産の運用会社としては重量級だ。 何より2人の存在は、仮想通貨市場の複雑に入り組んだネットワークにおいて不可欠だった。3ACは幾つかの最も知名度の高い仮想通貨スタートアップのベンチャー投資家であり、場合によっては企業財務の管理もしていた。大手の融資会社から積極的に資金を借り入れ、一部貸し手の株主でもあった。傘下に誕生間もないファンドを置き、ツイッターのフォロワー数は2人合わせて61万人に上っていた。取引の仲介もしていた。 2018年後半、チュー氏はビットコインが80%値下がりした「仮想通貨の冬」が終わると正確に予測し、その名が知られるようになった。金利上昇を受けリスク資産離れが進んだ今年もビットコインは6万800
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