恋人の猫が死んでしまった。 そこから、「いつかは〇〇も心変わりして俺からいなくなるかも」と恋人が弱音を吐いたりした。恋人の猫は恋人を好きなまま死んだのに、なぜ私が恋人を好きなまま死ぬとは思わないのかはよくわからないけど、恋人は命の儚さを悲しんでいるようだった。とりあえず、恋人が死んだら私も死ぬということで落ち着いた。あとから「死んじゃだめだよ」と言われたけどそれは知らない。 「お前にだったら殺されてもいい」と言ってきた片思いしていた友達と、「どっか行くなら死ねばいいのに」って言って首を締めてきた元恋人を経由して、「死んだら死んでね」と言う恋人に辿り着いた。 長かったのかなあと思う。やっとだなあと思う。 机の上に、恋人がくれたものがたくさん並んでいて、その中で一番にきらきらしているものが、わざとひびを入れているガラスの器だ。 ひび割れてしまった茶器に漆を入れた、その美しさを、火傷の痕を気にす
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