京都大学(京大)は1月12日、1973年に予言されて以来、50年にわたって観測が続けられてきた、温度が下がっていくと電磁波が「止まった波」として自然に現れるという、「超放射相転移」と呼ばれる現象を、磁性体「エルビウムオルソフェライト」(ErFeO3)中において初めて観測することに成功したと発表した。 同成果は、京大 白眉センターの馬場基彰特定准教授、米・ライス大学のXinwei Li博士課程学生(現・カリフォルニア工科大学博士研究員)、同・Nicolas Marquez Peraca博士課程学生、同・河野淳一郎教授らの国際共同研究チームによるもの。詳細は、英科学誌「Nature」系の物理学を扱うオープンアクセスジャーナル「Communications Physics」に掲載された。 超放射相転移は、電磁波/光と物質との結合強度、つまり相互作用の強さがあるしきい値を超えると、臨界温度Tcより