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鎌倉期の歌人で新古今和歌集の選者だった藤原定家(1162−1241年)が、定家のめいで当時を代表する女流歌人、俊成女(むすめ)(生没年未詳)の歌を書き取った新しい断簡(原本の1ページ)が旧伯爵家の旧蔵品から見つかった。この断簡は、途中で文意が途切れ、長年意味不明とされていた東京国立博物館(東博)所蔵の「藤原定家筆歌合切(うたあわせぎれ)」の一部と判明。約800年の時を超えた貴重な史料として注目を集めそうだ。(牛田久美) 東博の歌合切は、後鳥羽院歌壇を率いた藤原俊成の養女が、やはり新古今集の選者だった夫の源通具(みちとも)と結婚後の蜜月期に2人だけで行った詠み比べを、定家が書き留めて批評している。定家が若いころの数少ない自筆の書で、王朝風の流麗な書風に特徴があるという。 他に写本や注釈書がなく貴重な文学資料と注目されているが、批評の6行目から突然、「荻(おぎ)の上葉(うわは)」「小野の篠原」
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