形状や意匠に平泉とのつながりを色濃く見せる金銅錺金具腰鼓をたたく菩薩像の押出仏青森十三湊周辺遺跡と平泉の地図 平安時代末期に岩手・平泉から東北を支配していた奥州藤原氏と、同時期の青森県五所川原市の十三湊関連遺跡を結ぶとみられる工芸品・金銅製の錺(かざり)金具が確認された。12日、青森県史編さん文化財部会が発表した。「平泉」はユネスコの世界文化遺産に登録される見通しで、奥州藤原氏の歴史や東北地方の美術史にかかわる今回の発見により、さらに注目を集めそうだ。 12世紀ごろに製造されたとみられる錺金具は、同市の湊迎寺が仏教美術資料として所蔵していたが、同市の市浦歴史民俗資料館が寄託を受け、文化財部会が調査していた。 十三湊関連遺跡近くには、平安末期に藤原秀衡の弟・秀栄が建立した「檀林寺」があったとされる。錺金具は、檀林寺跡などから出土したとされ、同寺の建立説を裏付ける可能性がある初めての資料