印刷 メール 富士山信仰の跡、随所に 「世界遺産」向け調査急ぐ 整備された馬返。鳥居を修復し、石塔なども建て直された(富士吉田市歴史民俗博物館提供) 大昔から優美な姿が称賛され、一方で火を噴く山としても恐れられてきた富士山。ユネスコの世界文化遺産登録への推薦を前に、わからない部分が多かった富士山とその山麓(さんろく)の信仰遺跡の発掘調査が急ピッチで進められている。 山梨県では2009年から、江戸期に栄えた吉田口登山道の起点となった北口本宮冨士浅間(ほんぐうふじせんげん)神社の社有地(富士吉田市)や、冨士御室浅間神社の社有地(富士河口湖町)など、富士山信仰にかかわる11カ所で発掘や地中レーダー探査などを行ってきた。 中でも注目されるのが、登山道五合目地点(富士吉田市)だ。 山梨県埋蔵文化財センターの野代恵子主任文化財主事によれば、富士山の五合目以上は神の領域と考えられ、江戸中期以前はそれより