7月20日,経済産業省が設置した人材育成ワーキンググループ(有賀貞一委員長)の最終報告会が開催された。ここで説明されたのは,同WGが4月に公表した案に対するパブリックコメント(一般からの意見)を反映した,最終版の報告書。しかし,「情報処理試験制度やITSSはこう変わる!」というニュースで報じた通り,最終報告案そのものに詰めの甘さがあったうえ,寄せられたパブリックコメントが合計129件と多かったこと,事務局を務めていた経産省情報処理振興課の人事異動が7月上旬にあり,主な関係者が入れ替わったことなどから,少なくない粗さが残るものになった。 では,どんな点に粗さがあるのか。報告書の内容は多岐にわたるため,情報処理技術者試験制度の抜本改定案や3つのスキル標準(IT技術者向けのITSS,組み込み技術者向けのETSS,ユーザーの情報システム部門向けのUISS)との整合性に関する議論に絞って紹介しよう。