私は、この数年間、いくつもの自治体の基幹システム開発のアドバイスをしてきたが、その中で、市役所職員やITベンダー関係者と話を重ねるに連れて、「市役所職員が求めているものと、ベンダーのパッケージの方向がずれている」と感じるようになった。 自治体側も、予算も限られているにもかかわらず、あれもこれもと要望が尽きない。そこで、職員に「本当にしてもらいたいことは、なんですか!?」と半ば大声で叫ぶと、黙ってしまう。 初期導入費用や法改正に伴う改造費用が安く、職員の業務が減るように業務改善が行われていて、開発・導入に当たっては職員の負担も少ない、という夢のようなパッケージは、現実には存在しない。職員側も自分たちの本当の優先順位を明確に言えないのである。 コンジョイント分析を実施 そこで、自治体の志ある情報政策関係職員、約30人のご協力をいただいて、「コンジョイント分析」を用いて、市役所の情報政策担当の方
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