日本銀行のマイナス金利政策の影響で、金利変動リスクをヘッジするスワップ取引が機能しにくくなっている。企業が借り入れをためらうことにつながり、日銀が目指す貸し出し増加の阻害要因になる可能性がある。 企業が変動型の借入金利を固定化する時に払うスワップレートの1年物は、1月29日のマイナス金利発表前には9ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)近辺で推移していたが、2月からマイナス圏に突入し現在マイナス5bp近辺。企業にはコスト負担が発生し、金利スワップ契約が困難になっている。 日銀のマイナス金利政策は、民間銀行が預けている日銀当座預金の一部にマイナス0.1%の金利を適用、預けにくくし、銀行がその分を貸し出しに回すことを促している。しかし、日銀統計によると3月の銀行貸し出し残高は前年比2%増と、黒田日銀が量的・質的金融緩和を導入した直前(13年3月)以来の低い伸びにとどまっている。 銀行は調
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