マスク氏の純資産の急激な増加と減少を具体的に理解するには、マスク氏の報酬から話を始める必要がある。まず同氏のテスラ株の持ち分を押し上げた2009年と12年の報酬と、その次が18年の前例のない特大パッケージだ。これは同氏のマージンローン(証券担保融資)利用と相まって、史上最大級の富の創造の土台を築いた。 18年の報酬プランは、幹部報酬として史上最大だった。議決権行使助言会社から厳しい批判を浴びたものの、テスラ株主の圧倒的多数の賛成で承認された。この報酬を手にするために達成しなくてはならなかった目標の一つは、時価総額を6500億ドルに拡大することだった。これは当時のアマゾン・ドット・コムやアルファベット、マイクロソフトと同程度の規模。 マスク氏をテスラに長期的に専念させる最大かつ最も大胆な方法だった。同氏のショーマンシップも大きく貢献し、テスラの株価は急騰。20年末にはS&P500種株価指数の
![イーロン・マスク氏、世界一の富豪の座を永遠に失う恐れ](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/f84df4288f74f32c6bbf333d3b07a7161c9fb23b/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fassets.bwbx.io%2Fimages%2Fusers%2FiqjWHBFdfxIU%2FiLX5sUHqUWgI%2Fv2%2F1200x630.jpg)