3代将軍徳川家光の乳母、春日局はどんな人物だったのか。歴史評論家の香原斗志さんは「明智光秀の重臣だった父親譲りの才覚を発揮し、孤児のような立場から将軍に次ぐほどの権力者までに大出世した」という――。 「どうする家康」の語り部、春日局の意外な出自 毎回、「われらが神の君は」ではじまるNHK大河ドラマ「どうする家康」のナレーション。語っているのは女優の寺島しのぶだが、いったいどの立場からの語りなのかと、番組がはじまった当初から一部で話題になっていた。 先ごろ、語り部は春日局なのだと発表された。徳川家康の孫で、2代将軍秀忠の嫡男竹千代、すなわち3代将軍になった家光の乳母である。いよいよ寺島が扮ふんして、ドラマに登場する。 たしかに、家康が土台を築いた徳川幕府の支配体制をさらに盤石にした家光の乳母、という立場だから、家康の生涯を理想的に語るには、もってこいかもしれない。それに、じつは波乱万丈の末に