注:この記事は、有識者個人の意見です。日本医師会または日本医師会COVID-19有識者会議の見解ではないことに留意ください。 疫病の流行は、社会的想像力を常に更新してきた。その中でも、健康と主権の関係はきわめて重要な課題であり、人々の生の形がその中で決められてきた。 21世紀におけるcovid-19という疫病の流行から、わたしたちは新しい社会的想像力を作り上げることを求められている。 人間を再定義し、パンデミック・デモクラシーを構想することを提案する。 1 ダニエル・デフォー『ペストの記憶』(武田将明訳、研究社、2017年) 1665年のロンドンでのペストの流行はおよそ7万人が亡くなった。その時に、ニュートンがペスト禍のロンドンを逃れて故郷に戻り、万有引力の法則などを集中して考察したことはよく知られている。 では、当時のロンドンの状況はどうであったのか。『ロビンソン・クルーソー』で知られる