JCSIによる2014年度顧客満足度調査エンタテインメント部門で、第3位に輝いた宝塚歌劇団。未婚女性だけで構成された総勢400名の劇団である。座付きの演出家が毎年新作を書き下ろしたり、鉄道会社の一部門であったりと、他には例のない特徴が様々。実際の舞台を観た経験がない人には、女性が男性を演じることやファンの熱狂などが奇妙に感じられるかもしれない。 この不思議な世界、宝塚歌劇の魅力とは何なのだろう? 『元・宝塚総支配人が語る「タカラヅカ」の経営戦略』(森下信雄/KADOKAWA角川書店)から読み解いてみよう。 ●トップへの険しい道のり~宝塚の基礎知識 現在、宝塚歌劇団は、花、星、月、雪、宙(そら)の5組に分かれている。本拠地は兵庫県宝塚市の宝塚大劇場で、同劇場と東京日比谷の東京宝塚劇場をメインに、5組を効率よく回転させることで、年間を通しての公演を可能にしている。公演の基本的な舞台構成は、前半