視界をさえぎるビルは見当たらない。だだっ広い空の下には、近隣の住宅と田畑と休耕地のブタクサが広がっている。浜松市の郊外にあるファブラボ浜松は、農家の元農機具倉庫をDIYで魔改造して作られたファブスペースだ。 ここで廣瀬は、この世に2つとない、立体編み物を造形する「ソリッド編み機」を開発をしている。東京出身の廣瀬は、浜松の会社に勤務するメカエンジニアだった。編み機に人生を賭けて一念発起、会社を辞めて開発に専念しているのだという。 3Dプリンタはアナログだが編み物はデジタル 3Dデータから造形物を出力する機械と言えば、3Dプリンターだ。熱で溶かしたフィラメントを垂らしてにゅるりと形づくる、あるいは薄く平たい層を幾重にも重ねることで形づくる。 「3Dプリンターって、データはデジタルでも材料は粘土みたいなもので、工程はすごくアナログですよね。その点、編み物は編み目で分割されているのでデジタルです。
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