『SMAPと、とあるファンの物語—あの頃の未来に私たちは立ってはいないけど』という長いタイトルの本を読みました。著者は乗田綾子さん。 SMAPファンが書いた、SMAPと『私』の物語。 そう聞いて、どんな内容を想像するでしょう? 熱烈なファンが苦労してチケットを手に入れて、全国を旅する話? 様々なグッズを手に入れたり、ファンクラブの中でのあれやこれやをつづる話? 私はこの本のことを、誰よりもSMAPが好きな女の子の特別な物語だ、と思い込んでいました。 でも実際に本を開いてみたら違った。 これは普通にSMAPが好きな女の子が、自分の半生と共にSMAPの歴史を振り返る、私の隣の物語だったのです。 転校を繰り返し、不登校にもなってしまった。思い焦がれた上京は、失敗した。願ったとおりの現実を生きるのは、難しい。だけど――。小学校低学年から30歳に至るまで、とある女性の人生にずっと寄り添っていたのは、