魔球「シンカー」の使い手として、この日(8月15日)の第2試合の松阪戦で11奪三振をあげて初戦を突破した倉敷商のエース西隆聖は、同じく魔球を投げるライバルたちの名を挙げると、こう力強く宣言したものだ。 「自分のシンカーも負けていないと思うので、上まで行って対戦してみたい」 大阪桐蔭の藤浪晋太郎ばかりが注目されるが、今大会は魔球とでも呼べるような変化球の使い手が登場している。 開幕戦に登場し、「ナックルカーブ」を駆使して10奪三振を奪ったのは福井工大福井のエース菅原秀だ。大会2日目に登場し、1試合22奪三振の大会新記録を樹立した桐光学園の松井裕樹は、その鋭くタテに落ちるスライダーで今大会の大きな注目を集めている。 倉敷商の西としても、次なる戦いにナックルカーブの使い手・福井工大福井のエース菅原の姿を見据えていたのは間違いないだろう。 菅原のナックルカーブはまさに“魔球”だった。初戦で対戦した