新型コロナウイルス感染症は、感染者・死亡者数の増加という公衆衛生への影響だけでなく、感染を食い止めるためのさまざまな措置が経済へ与える負の影響も大きな課題となっている。アジア諸国よりも遅れて感染が発生した欧米諸国は、死亡者数などの指標ではアジアを上回っているが、そこでの議論も「感染拡大をどう抑制するか」から「感染の再燃を最小限にしつつ、どのような形で経済活動を再開していくか」に移りつつある。 あわせて、潜在的患者の存在も問題となる。感染しても無症状のままの患者が存在すること (クルーズ船でのデータからの推計では17.9%、注1)や、症状が出る前の患者からも感染し得ることが明らかになっている。 さらに、日本でも話題になっているようにPCR検査の件数は限られており、発症していても見逃しが発生しうる。そのため、「検査されていない潜在的患者はどのくらいいるのか」を見積もることは、現状を把握するため